子ども会のおこり

 子ども会的活動の歴史は古く、明治時代から奈良県下の山間部では、既にあったとおもわれます。
 しかし、地域ぐるみの子ども達を対象にした組織的な「地域子ども会」は、昭和24年頃から県下各地で誕生しはじめました。
 戦後の混乱からようやく経済的に立ち直りかけた時に、青少年の非行の第一ピーク期がやってきました。非行の内容が悪質で、その対策が全国的に問題となっていました。

このような情勢の中で奈良県下でも子ども達の幸せを願い、子ども達を守る運動が高まってきました。
 児童福祉の立場から、児童愛護班活動、新年子ども会大会、子どもの遊び場設置運動、巡回紙芝居、お話し会、盆踊り、音楽会などが各地各様に行われていました。
 子どもを愛護し、楽しませる興味中心的で、子どもをお客さん扱いにした行事が多くありました。

 しかし、子ども会の育成者にとっては運営要領が充分にわからず、暗中模索期で、最も苦労した時期でもありました。
 昭和30年に県主催の第1回子ども会指導者養成講習会が桜井市多武峰で開催され、基礎理論や技術指導、事例発表、意見交換が和やかな中にも熱烈に行われました。あたかも慈雨に喜ぶ蛙のように、育成者は活力を与えられ、方向付けがされました。
 昭和37年から県社会教育課の行政管轄の下、計画的・教育的に研修が続けられ大いに効果があがり、各子ども会が充実発展し、県子連結成の気運が芽生えていきました。

奈良県子ども会連合会結成

 
 子ども会は、子どもの健全育成、福祉の増進のために県婦人児童課で取り組まれていましたが、昭和37年に県教委社会教育課に移管さ れ、その後、県社会教育課では、子ども会の指導者養成に積極的に取り組み、子ども会の運営について、実際的な理論、技術の講習会を開催したり、子ども会健 全育成のための関係者の努力により、「少年団体指導の手引」を作成するなど地域子ども会に対する施策が行われました。
  このような県教委社会教育課の積極的な働きかけにより、また、単位子ども会の充実、市町村の組織化、青少年教育研究協議会などを通じて子ども会に対する喜 びと希望を同じくする人たちの中から子ども会活動を推進する気運が盛り上がり、昭和44年5月25日に奈良県子ども会連合会(当初は奈良県子ども会育成指 導者連絡協議会)が結成され、初めて全県的な組織として発足し活動を開始しました。

 また、昭和41年頃、高校生から20代の青年達が、県内に子ども会の「兄ちゃん」「姉ちゃん」をつくり、地域子ども会活動に積極的に 参加し、リーダーの必要性を啓蒙するとともに、要請があればキャラバン活動を行い、その地域で実際活動しながら、5・6年生や中学生リーダーの養成をしま した。そんな活動をするうちに自然発生的に「シニアリーダーの会」が青年達によって結成されました。その後、昭和44年9月に「奈良県子ども会シニアリー ダーの集い」と改称しました。

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