設立のあらまし

子ども会のはじまり

子ども会の源流は、その呼び方にとらわれることなく遡れば、徳川時代における会津藩士の師弟の「遊びの什」や薩摩の郷中教育、または庶民を対象とした寺子屋にまで至ることができる。しかし、今日の子ども会の多くは、昭和20年の終戦を境にした価値観の変動、物質的窮乏の中で生まれたといってよいだろう。
昭和21年10月7日文部省は各地方長官あてに「青少年不良化防止対策要網」を通達し、『終戦後思想の混迷、経済活動の逼迫に伴い、最近青少年の犯罪が急増し、しかも悪性の度を加えつつあることは極めて憂慮すべき問題』であるとし、「地域において実施すべき施設(事業の意)」を示した。
さらに、同年10月19日引き続き社会教育局長から出された「児童愛護班結成活動に関する通知」が子ども会結成の大きな役割を果たしたといえよう。
また、昭和22年3月には、「父母と教師の会-PTA」をつくろうと呼びかけ、学校外での各種事業を通して個性を伸ばすことを勧奨した。
一方、昭和22年12月には、児童福祉法が公布され、地域における児童福祉施設の設置が促進されることになり、さらに、23年11月には厚生省児童局は「児童指導班結成及び運営要網」を作成し、各都道府県にその結成促進方を指示した。
子ども会育成の上で重要な役割を担うもう一つの流れは、昭和26年全国社会福祉協議会が結成され、厚生省と共催した「子どもレクリエーション・キャンプ指導者講習会」に始まる。この講習会は27年から「グループワーク講習会」となりさらに30 年「児童集団指導者講習会」として36年まで継続された。
また、文部省では、子ども会等少年団体育成活動の振興を図るため、昭和38年「少年生活指導研究会」を開催。昭和40年より「子ども会等少年団体指導者育成委員事業」、昭和43年「子ども会等少年団体育成研究協議会」として45年まで続けられた。

全国子ども会連合会の結成

昭和38年11月、文部省主催の「少年生活指導研究集会」が国立中央青年の家において開催されたとき、かねてから子ども会指導者の間に譲成されつつあった全国組織結成の機運が一挙に高まり、この研究集会参加者の有志をメンバーとして「全国少年団体指導者連絡協議会」が結成された。翌39年4月この「協議会」が指導育成するところの少年団体は、その生成過程においては種々の形をとってはいるが、地域を基盤として組織され子どもの心身ともに健全育成を図ることを目的とする「子ども会」を目指すものであった。「子ども会」とは、子どもを構成員とする集団であり、そこに指導者と育成者が加わり成立することを確認。「協議会」を発展解消して「全国子ども会連合会」を改称し、単位子ども会、指導者および連合組織を会員とする任意団体として発足した。
昭和40年6月、子どもたちの健全育成を指向するためには基本に教育の柱を立てることが必要であるとして、文部省に社団法人の設立許可を申請、同年8月24日許可された、その会員は、当時、都道府県・指定都市の子ども会連合組織を結成していることは数箇所に過ぎなかったため、単位子ども会代表者を持って会員とした。
全国各地で子どもの欲求、親の願い、社会の要請を受けて単位子ども会の結成が進められ、その結果、より充実した活動への指向、単位子ども会だけでは解決できない課題のために連携の必要性が認識され、小学校区、市区町村の子ども会連合会の組織へと発展し、都道府県・指定都市の連合組織の結成が急速に進められた。
このような趨勢を受けて、本会は、昭和42年8月から翌月1月にかけて、全国組織のあり方を相談し、昭和43年2月静岡県下田市において都道府県・指定都市の組織代表者(未組織のところは行政担当者)が一堂に会し、「地域子ども会発展のためには是非とも全県の総意を結集した組織が必要である。下田会議を出発点として進むこと」として参加者の意見の一致をみた。
昭和43年9月定款の改定をし、全国の子ども会関係者の総意に基づく組織として、都道府県・指定都市の子ども会連合組織の代表者を社員とする 社団法人 全国子ども会連合会として、再出発した。

見舞金制度「全国子ども会安全会」について

「全国子ども会安全会」は昭和47年6月10日に子ども会活動を安心面からバックアップする制度でとして発足し、相互扶助の精神にもとづいて平成24年3月31日まで運営されてきた。平成18年度までは死亡・後遺障害にのみ見舞金が支払われていたが、平成19年度からは子ども会活動中に被った傷害・疾病に対しても補償を行なってきた。
子ども会活動を充実発展させるための課題として取り組んできたのが、活動に伴って惹起する事故の防止と共済制度である。

「PTA・青少年教育団体共済法」制定による共済事業「全国子ども会安全共済会」のスタート

平成17年5月の保険業法の改正により、子ども会が今まで行なってきた共済事業「全国子ども会安全会」も保険業法の適用対象になり、その結果、保険業等の認可を得るか保険業法の適用除外(10万円以下の慶弔見舞金として実施する)の範囲で継続するか、民間の保険を使うかの選択が求められた。
その中で、民間保険の利用では、給付範囲が制限されたり、掛金が高くなる等の問題があるので、PTAや子ども会などから、今までの共済事業を継続できるように法整備の要望があり、「PTA・青少年教育団体共済法」が平成22年5月に成立し、平成23年1月1日に施行された。
この法律のもとで、「施行規則、監督指針」の他に「保険法」や「保険業法」等を考慮した「事業方法書、約款、算出方法書」の3つの項目からなる共済事業の実施に関する規程を作成することを求められ、この規程を作成することにより共済事業の認可を受けることができた。
文部科学大臣より平成23年12月27日に認可を受けて、平成24年4月1日より新しい共済事業「全国子ども会安全共済会」がスタートした。

 公益社団法人全国子ども会連合会への移行

平成13年以降から公益法人制度改革が進められ、平成18年に関連3法案が成立し、交付された。これにより、全国子ども会連合会も、公益もしくは一般社団法人への移行が求められた。 全子連が行なっている共済事業が公益目的事業として認められるかどうかが大きな課題であったが、「PTA・青少年教育団体共済法」制定により、公益目的事業とみなされる可能性が大きくなった。
全国子ども会連合会は、平成24年8月に内閣総理大臣に公益移行認定申請書を提出し、翌年平成25年3月に認定が下り、平成25年4月1日の登記により、公益社団法人全国子ども会連合会としてスタートする。

平成25年4月1日 公益社団法人 全国子ども会連合会

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