2月14日~16日、雪の舞う宮城県松島町のホテル大観荘にて、第47回全国子ども会育成中央会議・研究大会が開催されました。
今回の中央会議は「東北復興支援大会」として位置づけ、東北地区の6県1市が一丸となって、素晴らしい大会を開催していただきました。
開会式に先立ち東日本大震災での被害者、子ども会活動の不慮の事故で亡くなった方への黙祷。
続いて少年の主張。第35回「少年の主張全国大会」で最優秀の内閣総理大臣賞を受賞した、気仙沼市立小原木中学校3年生、梶川裕登さんによる「忘れないために」が披露されました。梶川さんの実体験に基づく、震災で何もかも流され壊されてしまった光景が今当たり前に感じてしまうことへの恐怖。つらい経験を忘れずに未来に伝えていく決意に参加者一同、胸を打たれ惜しみない拍手が送られました。
開会式では東北地区子連佐々木正市会長の歓迎の挨拶を込めた開式の辞。全子連丸山康昭会長の、お忙しい中ご臨席をいただいたご来賓へのお礼、全国各地からお集まりいただいた日頃より地域で子ども会活動にご尽力いただいている参加者へのお礼、この大会を「復興支援大会」として位置づけ、東日本大震災での経験を踏まえ、地域での安全安心、子ども会の役割を十分に情報交換し身に付け、今後の活動に活かしてほしいと主催者を代表して挨拶されました。
ご来賓には文部科学大臣の代理として文部科学審議官、永山賀久様。宮城県知事の代理として宮城県副知事、三浦秀一様。宮城県議会議長の代理として宮城県議会副議長、渥美巌様にご祝辞を賜り、松島町長の代理として松島町教育委員会教育長、小池滿様に開催地歓迎のご挨拶を賜りました。またその他にもご来賓として、宮城県教育委員会教育次長、熊野充利様。青少年のための宮城県民会議会長、三浦文夫様にご臨席いただきました。
開会式も終わり、続いて全子連表彰の表彰式を行う予定でしたが、大雪の影響で到着されていない受賞者もおり、プログラムを入れ替え、東北大学大学院教育学研究科准教授、谷口和也氏による基調講演「小-中-地域連携した防災教育」が行われました。
谷口氏はまず三つのポイントをあげました。
・個人のライフスタイルを超えた地域の集まりの再構築とは。
・学校が参加できる政治的・宗教的に中立な社会参画とは。
・若者のネットワークに乗って地域参画を促せる活動とは。
これらの事をできる一つとして「地域防災活動」があると述べられました。
そして、この基調講演では、日常の地域づくりに基盤を置いた、若者を地域社会の重要な一員としてみとめ、地域の「決め事」づくりにも参加してもらう。そのような「地域住民づくりとしての防災教育」を提案されました。
その後も仙台市内の実例を基にしながら講演は進み、最後に「震災は不幸な出来事で多くの人が未だ苦しんでいます。そのことを忘れることなく、あえて提案したいのは、防災教育を核として再び地域が結びつくことは、個人の違いや諸機関・諸団体の縦割りを超えて地域のつながりを再構築する。そのきっかけとなるのでしょう。」と結びました。
休憩の後引き続き表彰式が行われ、今回は指導者・育成者60名。育成組織及び指導者団体7団体。奨励賞9団体の表彰が行われました。表彰状は丸山会長から、感謝状は小林副会長より一枚一枚手渡しされました。
表彰式の後は、地域の芸能活動紹介として南三陸町戸倉水戸辺地区の故郷芸能、行山流水戸辺鹿子躍と塩釜市の塩釜甚句、大漁唄い込みが披露されました。子どもたちが披露するダイナミックな躍りと太鼓の音、甚句に会場からは拍手と声援で応えていました。
夜は受賞者を囲む会・情報交換会が行われ、舞台では雀おどりを披露し、会場を盛り上げていました。全国各地から集まった関係者が宴席を囲み活発な情報交換と交流が行われました。
2日目は被災地支援視察として5つのコースに分かれてそれぞれ視察に出かけました。あいにくの天候の為、視察地は雪で覆われておりましたが、広大な平地が以前は住宅地や商店街など人の生活に溢れていた場所であったという事実は参加者に大変大きな衝撃や驚きを与えていました。未だ復興の道半ば、これからも支援し続けることの大切さを改めて実感しました。
視察を終えて会場に帰ってきてからは分科会です。東北の各県市子連が震災時、また震災後に行ってきた活動とその事例を基に学びました。また、まもなく20年を迎えようとする阪神淡路大震災の際に兵庫県子ども会連合会がどのような取り組み行ったか。未来を担うジュニア・リーダーの育成や子ども会会員増強に繋がる活動を考える分科会など、全部で8の分科会に分かれ事例を基にそれぞれ協議し学び合いました。
3日目は前日の分科会報告とシンポジウムです。
シンポジウムは「復興のまちづくりについて~子供に笑顔を!地域に夢を!~」をテーマにコーディネーターとして南三陸町伊里前小学校教諭の阿部正人氏。助言者に一般社団法人地域連携プラットフォーム代表理事の長岡元彦氏を迎え、事例発表者として宮城県内でジュニア・リーダーとして活躍する高校生4名にご登壇いただきました。ジュニア・リーダー達が震災後、自らが地域で行っている活動の事例を通して、若者が地域の活動に参画することが地域の未来志向に繋がり、活動が活発化し、地域住民にとってより良い未来を拓くことができるのではないか。その地域活動を推進し活発化していくことが子ども会の役割ではないかと確認しました。
最後に閉会式で全子連丸山会長の挨拶と、今回の中央会議開催に労を取られた東北地区子連佐々木会長に感謝状を贈呈。その後大会旗が次回開催地の指定都市子連代表の野瀨会長へ引き継がれ、開催地の名古屋市の皆様によるアピールとご紹介。万歳三唱が行われ中央会議の全てのプログラムが終了しました。
参加された方からは、テーマに沿った東北ならではのプログラムで大変参考になった。地域での若者の参画を進めていくことが子ども会活動活性化になり、地域の活性化に繋がると実感した。と感想をいただきました。
来年度は平成27年2月20日から愛知県名古屋市で開催されます。今から皆様のご参加を心からお待ちしております。