会長あいさつ

新会長 美田 耕一郎 就任挨拶

私が単位子ども会の会長に就任したのが、小学校6年生の時でした。第2次ベビーブームに生まれ、大変多くの子どもが居たのを覚えています。全子連の会員も800万人を超えていたようです。
 
単位子ども会の会長に就任した4月に、『自分たちで考えて、好きな事やったらいいからね』と育成者の方に言われ、早速好きなことをしました。
6月頃の定例会後、小学1年~6年生約10名を連れて、近隣のラーメン屋さんで、ラーメンをたべました。もちろん会長である私は、会計に対して『このお金は、子ども会の会計から払うように』と、指示を出しました。たまたま、現金で、毎年恒例のキャンプの用具を買うために約1万円の現金を会計が持っていたのです。会計の女の子は、『みた君ダメだと思うよ』と何度も進言しましたが、私は『会長の俺が言うから大丈夫。育成者も好きにしろと言った』などと言い、無理やり支出させました。
その後、素直な小学1~3年生の会員達は、『子ども会長から昼食をご馳走になった』と、自分らの保護者に伝え、そのお礼の言葉が私の母親に伝わるのにそう時間はかかりませんでした。

即日、母親に叱られ、数日後の夕方には私を始め、副会長・会計らとともに、私の母親・育成者が公民館に参集しました。
育成者の方は、謝罪する母親に『いいのよ!美田さん』と言いつつも、私には『キャンプの金はどうするのか』『何をしても良いとは言ったがみんなでラーメン食っていいとは言っていない』などと叱られました。レシートに記載のあった『オオモリ×2』と、『ギョウザ×3』の文字を見て、私の母が『誰が大盛を食べたのか』と、犯人さがしを始めた事を昨日のように思い出します。
私は子どもながら、『なんでもやっていいと言う言葉は、ほんとになんでもやって良いのではない』という大人の事情にきづきました。

その後、ラーメンを食べた子たちを中心に臨時会合を開き、キャンプ実施の可否と、約6千円補填について議論した結果、廃品回収を実施する事になりました。
当初ダンボールを回収して、持っていき『引き取る単価を上げてくれないか?』と事情を話し交渉したところ、『協力してやるが、アルミを集めて来い、缶でも鍋でもよい。アルミならいい単価を出してやる』と言われ、その日を境に私たちの子ども会は、学校の行き帰りにアルミ缶拾いは当然で、放課後や土曜の午後・日曜日に必死にアルミを集めました。自分たちの地区だけでは足りず、隣の地区にアルミ回収に出かけ、隣の子ども会の会長に、『人のエリアを荒らすな』と、いわゆる『縄張り争い』も経験しました。
結果、ラーメン食べる前より会計残高は増え、キャンプについては、地域の方から米・野菜、さらには肉やフルーツなど様々な支援物資もあり(必死にアルミを集めいていたので、事情を聴かれ地域のおおよその人が知っていた)、過去に例を見ないリッチなキャンプを開催できました。

私をはじめ単子の幹部は、問題に直面しましたがその解決策を思考し、そして解決しました。その結果、『アルミはいい金になる』という事、『地域の人に頼ればいろんな助けをしてくれる』と言う事、『金があるからといって会の金で勝手にラーメンを食べたらダメだ』という事、さらには『世の中には縄張りがある』ことに気づけたのです。
私たちだけではなく、1~2年後輩の子らも、私たちの姿を見て同じ失敗はしなかったはずです。(当然ラーメンを食べたらだめだと申し送りもしています。)
私はその後、ジュニ・アリーダーを経験し、市子連・県子連と子ども会に関わり続け現在に至ります。

『日本中の子ども達の真の成長と幸福のための子ども会』全国子ども会連合会の理念です。『真の成長』は、言われて久しい『子どもの手による子ども会』の実現を通じて、子どもたちに様々な気づきの場を保障する事により達成できます。育成者として勇気をもって成功も失敗も経験させたいと強く思っています。今までの成功や失敗などすべての積み重ねが現在の私たちを形成しているのです。
「子ども会」は、生まれて初めて属する自治組織であり、異年齢の環境下で様々な経験ができます。『真の成長』を見守るため、『子どもの手による子ども会』の普及に皆様と伴に取り組んでまいります。
本会発展のため、微力ながら尽力する所存でございます。皆様の力強いご指導ご鞭撻を頂き、いつの日か真の幸福を一緒に感じられたら幸いでございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和4年7月
美田耕一郎

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