2023年2月13日
【報告】子どもの体験活動における「ケガ防止対策」指導者養成講習会 横浜市会場

期日:2023年1月21日(土) 9:50~16:30 受付9:20
会場:横浜市青少年育成センター
参加者:14名
講師:3名
アシスタント:2名
司会・統括:1名
役員・スタッフ:4名
総数:24名

通算29回目となる今回の横浜開催は、諸々の条件と状況により、残念ながら今年度唯一の開催です。

コロナ禍以来、全国各地で何度も計画しては自粛せざるを得なかったこの活動・・・。
感染状況が一時的に落ち着いてなんとか開催できた昨年度12月の広島県開催から数えても、既に1年以上経ってしまいました。

「今年度こそは」と従来どおりの全国9会場での実現を目指し、「コロナと共存していく」対策や手立て、内容の工夫などを準備していただけに、思いもよらなかった新たな制約が年度始めに加わったことで、戸惑いや困惑も隠せませんでしたが、その後、役員や全国各地の協力者、講師の先生方、スタッフ等で、リモートやハイブリットでの実施も含めて幅広く可能性を検討し、再三協議を重ねた結果、やっぱり「講義ばかりではなく実習にも重きを置くべき、子どもたちの体験活動と同様に受講者にも、リアルに体験、体得していただく方が現状では望ましい」との判断となり、これまでどおりの対面方式での開催となりました。

晴れてはいても冷たい北風が吹く寒い朝、気持ちと決意を新たに会場へ向かいました。

もう一つ残念なことは参加者が思うように集まらなかったことです。
これには運営者として大いに反省していますが、早くから募集を開始したことで、12月に入った時点では定員に近い見込みが立っていたものの、首都圏の子ども会関係者の事情としては「その後、子どもたちの活動がずれ込んだ」、「会議や研修が入り込んだ」等、どうも年明け以降のスケジュールに難しさがあり、子ども会関係者以外の一般からの応募も「コロナ関連で・・・」と年末年始の休み明け頃までには、相次いで参加辞退の連絡を受けることとなってしまいました・・・。

それでも、東京湾を挟んだ遠い千葉県の内陸部からもご参加いただき、先生方も受講生も「子どもたちの活動中のケガを防止しよう」という熱意の下、講習会は予定通り粛々と進んで行きました。

実施スケジュール(計 5時間)
【AM】
開講式
1 . 体験活動で起こりうるケガの種類と発生要因の理解(講義) 河野徳良先生/60分
2 . 体験活動中のケガに備えたケガの評価と応急処置法の習得(講義) 河野徳良先生/45分
3 . ケガをしないための食事(講義) 安達瑞保先生/45分

初めの河野先生の講義では、これまでの先生の長く様々な経験や活動の逸話も随所に挟んでいただき、いつもどおりのポイントを押さえた展開は頷いていただけることが多かったのではないでしょうか。

参加者のお一人との休憩中の雑談で、
「上半身、下半身等の身体の動かし方については、いろいろな先生がいろんなことを言うから何が正解なんだろうといつも迷ってしまう・・・」、
「それは体力アップやスキルアップなどのそれぞれの目的や意図によるものかもしれませんね。今回は『ケガを防止する、身体的に子どもたちが今後長く活動を続けていくための配慮をする』観点に絞り、現在の潮流に合わせて最新の情報をお伝えしていると思います。指導の基本中の基本と言えるかもしれません。」
「なるほど・・・」
といったやり取りをしたことが印象に残っています・・・。

子どもたちの将来の為には、「成果」や「目的」、「効率」よりも大事なことが間違いなく存在しているとあらためて実感しました。

本来、子どもたちの「ケガ防止」と「食育」は切っても切り離せない問題で、それだけでも1日では足りないボリュームですが、この講習会の短い時間の中で、それをどうやってより分かりやすく展開し、深く理解してもらうかは、いつも安達先生にご苦心いただいているところです。
毎回、参加者の反応やアンケートの結果等をつぶさに検証し、直ちに改善を繰り返してくださっていますが、長い休止期間中にも全体の展開や個々のスライドの工夫を重ねていただき、更にブラッシュアップしていただいた印象・・・。
参加者の皆さんにも、きっと心に響くことが多かったことでしょう。

また、今年度から新たに講師陣に加わっていただいた小池先生の講義では、トレーナーや大学での活動の前に「病院」にお務めなされていた頃の患者さんとの具体的なやり取りの実例が、ぐっと真実味をもって強く心に残ったことだと思います。
血管をフラフープに例えて、ウォーミングアップやクーリングダウンとの関係を説明していただいたところ等、たいへんわかりやすかったことだと思います。


【PM】
4 . 体験活動で効果的なウォーミングアップ゚とクーリングダウンの理解(講義)小池祐貴先生/45分
5 . ストレッチングの実践(講義・実習) 小池祐貴先生/45分
6 . コーディネーショントレーニングの理解と実践(講義・実習) 小池祐貴先生/60分
閉講式・修了証授与

この講習会をリモートやハイブリットに置き換えず、従来どおりの対面形式で行う判断をしたのは、「実習」部分にも十分に重きを置きたかったからです。

ただしそうは言っても、コロナ禍以来、「ストレッチングやコーディネーショントレーニングの実習は実際どうする?」これが、カリキュラムをコロナ禍に合わせて実行する上で一番の問題でした。
それでも、コロナ禍で唯一開催出来た前回の広島会場からのフィードバックによる工夫や、その後の「ウィズコロナ」に対する世の中全体の風潮にもより、難しい部分はスライド学習に置き換えて、比較的スムースに展開出来たかと思います。
今後、更に善処して参りたいと考えています。
小池先生と無償でご協力していただいたアシスタントのお二人、日体大トレーナー研究会の皆さんにも感謝です。

例えば子どもたちの「体験活動」をすべてリモートやハイブリットに置き換えてしまえば、その「意義」なんてどうなるのでしょうか?
少なくとも「体験の質」や「効果」は半減するに違いありません。
本来、コロナ禍といえども「運営の工夫」によって「コロナと共存」しつつ、「リアルな体験」を実際に行う方向で善処すべきで、そのために多くの指導者やボランティアの皆さんが、目下、日夜ご苦労をなさっているかと思っています。

ですので、この講習会では、講師の先生からリアルに指導していただき、子どもたちの身になって実際に体験してもらうことから、参加者それぞれがご自身の感覚によって「体得」していただくことが大事だと考えています。

今回は募集活動の失敗等、残念で反省すべき事も多々ありましたが、今後につながる手応えは感じられました。
今後に活かして参りたいと思います。

今後、子どもたちのそれぞれの活動の中で、「ケガ防止対策」が更に進展していきますように!
今回の指導者養成講習会にご参加いただいた方々の更なるご活躍を祈念しています。

お世話になった皆様、また、ご参加いただいた方々、ありがとうございます!

※この記事への感想やご意見は⇒ こちら(全子連ケガ防止対策担当)にお寄せください。

 

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